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巻 頭 言
空外上人と湯川秀樹博士

 
 
空外記念館理事長
島根県立大学短期大学部名誉教授
仁照寺 住職
理学博士
 江 角 弘 道

今年2月に京都知恩院で全国浄土宗青年会研修会で講演をした後に、空外上人のお墓にお参りしました。空外上人は、「わたしは永遠の今を生きている。死後などはない」と仰せられたとのことですが、不徳にして、未熟者の私がはからずも空外記念館の理事長に就任したこと、今後ともお導き頂きますことを祈念しました。
 空外上人の墓の後ろに、日本人初のノーベル物理学賞受賞者湯川秀樹博士の墓がありました。上人は、素粒子物理学者である湯川秀樹博士と並んで眠っていらっしゃると思うと感無量です。それは、私もかつて素粒子物理学を研究していたことがあり、そして現在、不思議なご縁で空外上人の著書に感銘を受け、その教えで生きる喜びに目覚め、空外記念館理事長になっているのです。
 空外上人と湯川秀樹博士の共通の思いは、世界の平和を祈願されたことでした。空外記念館は、世界平和と人類の安寧のための精神性の発露の場として創立されました。湯川記念館は、基礎物理学研究所として京都大学理学部構内に創立されました。そこは、理論物理学領域における国際研究拠点であり、日本における理論物理学教育及び研究の中心的存在です。湯川博士は、スミ夫人やアインシュタインたちと核兵器を廃絶し、平和な世界をめざす『世界連邦』構想を説き続けられました。
 
空外上人の墓 湯川秀樹博士の墓

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